みなさんは、模型用に彫刻刀は購入されているでしょうか。
ガンプラはスジボリの技法が広まり、BMCタガネに代表されるスジボリツールが用いられたり、段落ち外装を表現するために彫刻刀が用いられたりしています。
そこで本記事では、彫刻刀として代表的なGodhandのビットブレードの使い方や特徴を紹介します。
さらに同社の製品であるスピンブレードとの違いを比較することで、使い分けができるのか検証していきます。
この記事を読むことで以下のメリットがあります。
- ビットブレードの使い方と特徴を理解することができる
- ビットブレードとスピンブレードの違いがわかり、使い分けできるようになる
ビットブレードを徹底比較した結果
ビットブレードは単体でも十分に活躍しますが、スピンブレードを持っている人は新たに購入する必要はないでしょう。
言い換えると、ビットブレードとスピンブレードのどちらかで購入を悩んでいるのであれば、スピンブレードを購入しておくとよいというのが結論です。
その理由については、次から説明していきます。
ビットブレード 平刀を購入した経緯
私は、元々スピンブレードを所有しています。
しかし、マイナス(凹)モールドの底面をカンナ掛けでキレイにしたくて、ツールを探していました。
BMCタガネでも十分に底面のカンナ掛けは可能でしたが、役割がかなりBMCタガネに集約されていたために、手入れが頻発して困っていたのです。
そこで色々調べていると、ビットブレードの存在を知りました。
スピンブレードやBMCタガネとは別に使い分けたかった思いがあったので、購入を決意しました。
ビットブレード 平刀の使い方
購入するとパッケージに記載されていることではありますが、まとめておきます。
前提として、ピンバイスのような持ち手に装着して使用することになります。
押し込んで彫る
ビットブレードは精密彫刻刀なので、押し込んで彫ることができます。
カンナ掛け
刃を反対にして、引くようにすることで整面が可能です。
サイズを変えて、細かく彫り込む
セット販売されているのは1.0、1.5、2.0、2.5、3.0mmなので、使い分けることで柔軟な彫り込みが可能です。
ビットブレード 平刀とスピンブレードの唯一の違い
唯一の違いは刃先の形状にあります。
ビットブレードは片刃構造であるのに対し、スピンブレードは両刃構造です。
言い換えると、真っ直ぐ刃を下ろした場合の形状が異なります。
パッケージを裏返すと構造が記されています。
ビットブレード 平刀とスピンブレードの使い分けできる?
実際にビットブレードにできて、スピンブレードにできないことがあるのか?
また、その逆があるのか検証します。
プラ板に長方形のモールドを掘ってみました。
わかりやすくするために、3.0mmで比較します。
ビットブレードだけにできることは?
・・・
正解は右がビットブレード、左がスピンブレードで彫ったモールドです。
つまり、ビットブレードだけができて、スピンブレードにできないことはないことがわかります。
スピンブレードでも押し込んで彫ることはできるし、底面のカンナ掛けも可能です。
スピンブレードは両刃なので、デザインナイフの刃先だと思えば納得できちゃいます。
スピンブレードだけにできることは?
お分かりの通り、丸モールドの彫り込みです。
実際にプラ板でやってみました。
「ちゃんと開けられていない・・・」
そういうツッコミは受け入れます。
この画像では下穴を開けずに直接スピンブレードで開けています。
いくら挑戦しても、ダメでした。
では、下穴を開けておくとどうなるでしょうか。
「まあ、マシやな・・・」
でも画像の通り、下穴を用意してる方がガタガタせずにキレイになりました。
つまり、スピンブレードは既存の丸モールドを深くできる能力を持っているということがわかります。
実際に、SDEX シナンジュのスネのサイドにあるバーニア部も彫ってみました。
使用したのは、1.5mmのスピンモールドです。
このようにサイズに応じて、丸モールドの彫り込みが可能になることがわかります。
まとめ
ビットブレードは片刃の彫刻刀であり、押し込んで彫ることもできれば、引いてカンナがけも可能です。
ですが、スピンブレードにもその役割は十分に担えます。
さらにスピンブレードは、丸モールドの掘り込みにも対応しています。
したがって、あまりツールを多くしたくない方や予算が少ない方は、スピンモールドを購入するのがベストです。
みなさんが工具の用途を今一度明確にした上で、工具を揃えてみるいいきっかけになればと考えています。
コメント